当院で受けられる検査|大田区蒲田駅の甲状腺専門診療|ひるま甲状腺クリニック蒲田

〒144-0051東京都大田区西蒲田7-48-3-2F
Tel.03-3731-3328
WEB予約 インスタグラム
ヘッダー画像

当院で受けられる検査

当院で受けられる検査|大田区蒲田駅の甲状腺専門診療|ひるま甲状腺クリニック蒲田

甲状腺穿刺吸引細胞診とは

甲状腺は、のどぼとけ(甲状軟骨)の下に位置する臓器で、蝶が羽を広げたような形をしています。甲状腺ではヨウ素(昆布に多く含まれるミネラル)を材料として甲状腺ホルモンを作り出しており、甲状腺ホルモンは、体の発育や成長、代謝などに欠かせない働きをしています。この甲状腺に結節・腫瘤(はれもの、しこり)ができたとき、良性か悪性(癌)かを判断するために行う検査が甲状腺穿刺吸引細胞診です。甲状腺超音波(エコー)検査で腫瘤の位置を確認しながら、細い注射針を直接腫瘤に刺して細胞を吸引し、採取した細胞を顕微鏡で観察して診断します。

通常、大学病院や地域の総合病院などの大きな病院で行われていることの多い検査ですが、当院ではこの検査を施行することが可能です。穿刺吸引細胞診は、超音波検査で診ただけでは判断が難しい腫瘤内部の詳しい情報を得たり、超音波検査での診断をより確かなものにしたりするために行われる検査です。
検査による合併症としては、迷走神経反射や出血、痛みなどがあります。

甲状腺にできる主な結節

  • 甲状腺良性結節:腺腫様結節、腺腫様甲状腺腫、濾胞腺腫、嚢胞 など
  • 甲状腺悪性腫瘍:甲状腺癌(乳頭癌、濾胞腺癌、髄様癌、低分化癌、未分化癌)、甲状腺リンパ腫 など

当院の甲状腺穿刺吸引細胞診の特長

当院の甲状腺穿刺吸引細胞診の検査は、甲状腺にしこりのあるすべての患者さまに一様におすすめするわけではありません。原則、日本乳腺甲状腺超音波医学会(JABTS)甲状腺用語診断基準委員会の指針に準じ、甲状腺専門医が検査の必要性を吟味したうえで、必要な方に検査することをご提案いたします。簡単にまとめますと、大きいしこりや悪性を強く疑うしこりがその適応に入っております。
また当院の甲状腺穿刺吸引細胞診の検査は、日本乳腺甲状腺超音波医学会(JABTS)の認めた、甲状腺超音波ガイド下穿刺診断専門医である副院長が施行いたします。同医師は、これまでも東邦大学医療センター大森病院や伊藤病院でも細胞診検査を行ってまいりました。痛みや出血などのリスクも伴うため、医師が説明したのちに同意書をお渡しし、同意いただいた方のみに検査を行っております。

検査の概要

超音波機器の探触子(プローブ)を首に当て、しこりを画像で確認しながら、しこりの内部の細胞を採取します。甲状腺は首に位置するため、そこに注射針を刺すことが怖いと感じられるかもしれませんが、針を刺している時間は数秒程度ですので採血より短い時間となります。針の太さは採血で使用するものと同じであり、痛みの程度も似ております。もちろん痛みの感じ方は人それぞれですので、まったく痛くないとおっしゃる方も、強い痛みを感じたとおっしゃる方もおられます。
検査の準備から穿刺後に針を刺したところを少し押さえておく時間を含めると、全ての工程が30分程度で終了します。検査後当日は、念のため無理は避けていただきますが、基本的に生活は通常通りで構いません。

甲状腺穿刺細胞診の検査方法

  1. 皮膚を消毒します。
  2. 甲状腺エコーで病変(腫瘤)を確認します。
  3. 病変の直上にエコーの探触子(プローブ)をあてて細い注射針を病変に刺し、針の先端を病変内部に進めます。吸引し、細胞の一部を針の中に吸い込みます。針を刺している時間は数十秒程度です。
  4. 病変によって穿刺の回数は異なりますが、一つの病変に対して1~2回の検査が平均的です。
  5. 針を抜き、内容物をプレパラートに吹き付けます。
  6. 検査終了後は針を刺した部分をおさえていただき(10~15分程度)、止血が確認できれば絆創膏を貼って帰宅となります。

採取した細胞は、病理検査の専門施設に提出し、顕微鏡により悪性細胞の有無やとれた細胞の状態などを判定してもらいます。検査結果は1週間程度でわかりますので、外来診察にてお話させていただきます。

検査に伴う合併症

考えられるものとして以下の内容が挙げられます。

  • 痛み(痛みは検査中や直後に限定されることが多いですが、まれに長引く方がおられます。)
  • 皮下出血(針を刺した部分の皮下出血(青あざのような見た目になります)がしばらく続くことがあります。)
  • 血腫(血液のかたまりができることがあります。)
  • 穿刺部の出血(甲状腺は血流の多い臓器であり、ごくまれに出血し、その中でも全例ではありませんが緊急手術となることがあります。その際は東邦大学医療センター大森病院など、手術も可能な大きな病院への受診をお願いすることがあります)
  • 穿刺部位からの感染症
  • 気胸
  • 反回神経麻痺 など

検査の注意事項

検査を受ける前(細胞診の予約をとる日)

血液を固まりにくくする薬を服用されている方や、アルコールなどの消毒薬にアレルギーのある方はお申し出ください。

検査当日

首もとが開くような服装でご来院ください。食事に関する制限はございません。

その他

腫瘍によっては、細胞診検査では診断をつけることができないものもあります。
未分化癌やリンパ腫などは治療に組織診が必要であり、乳頭癌などに比べて病気の進行が速いことが多いため、組織診の可能な近隣の施設(東邦大学医療センター大森病院など)にご紹介させていただきます。

当院で受けられるその他の検査

血液検査

甲状腺ホルモン、サイログロブリン値や、特定の悪性腫瘍で上昇する採血項目などを検査します。

超音波検査

どんなしこりなのか(大きさ、形、血流など)をチェックします。

心電図検査

必要時に適宜行います。

監修者プロフィール

院長
蛭間 重典(ひるま しげのり)

日本甲状腺学会専門医
東邦大学医療センターや伊藤病院(甲状腺専門病院)で甲状腺専門外来に従事。日本甲状腺学会次世代研究者の会(NexT-JTA)所属。 品川・蒲田・川崎エリアでは甲状腺専門医によるクリニックが少なく、紹介先や通院先に困るといった同僚医師・患者さまの声に応える形で2025年5月JR蒲田駅前にひるま甲状腺クリニック蒲田を開業。執筆に『伊藤病院 甲状腺症例を極める(新興医学出版社/2024)』など。

受賞歴

  • 2019年 日本甲状腺学会トラベルグラント
  • 2023年 日本甲状腺学会ロシュ若手奨励賞
    (Young Investigator Award: YIA)
  • 2024年 甲状腺病態生理研究会研究奨励賞
蛭間 重典(ひるま しげのり)