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すべての世代にやさしい甲状腺ケア──世界甲状腺デーに寄せて
こんにちは。ひるま甲状腺クリニック蒲田 院長の蛭間重典です。2025年5月25日に日本甲状腺学会主催で開催される「世界甲状腺デー市民公開講座」にあわせて、甲状腺の大切さと、皆さまに知っていただきたいポイントをお話しします。
世界甲状腺デーとは?
「世界甲状腺デー(World Thyroid Day)」は、甲状腺の病気に対する理解と啓発を目的に、世界共通で定められている記念日です。甲状腺疾患は誰にでも起こりうる身近な病気ですが、症状が曖昧なため、見過ごされやすいという特徴があります。
小さな臓器、でも全身に影響する「甲状腺」
甲状腺は喉仏の下にある蝶の形をした臓器で、「甲状腺ホルモン」を作り出しています。このホルモンは、体温・脈拍・代謝・精神状態・成長や発達などに関わっており、不調になると「なんとなく体調が悪い」という形で現れることもあります。
甲状腺の病気にはどんなものがある?
- バセドウ病:甲状腺ホルモンが過剰に出る病気。動悸・体重減少・イライラなどが特徴。詳しくはこちら。
- 橋本病:甲状腺が自己免疫によって破壊される病気。疲れやすさ・むくみ・うつ症状が出ることも。詳しくはこちら。
- 甲状腺腫瘍:首のしこり。良性が多いが、まれに悪性の可能性もあるため、定期的な検査が重要。詳しくはこちら。
すべての世代にやさしい甲状腺ケアとは?
今年の公開講座のテーマは「すべての世代にやさしい甲状腺ケア」。甲状腺の病気は、小児から高齢者まで誰にでも起こりえます。妊娠・更年期・老年期など、年齢による症状の違いにも注目が必要です。たとえばバセドウ病の症状としては、一般的には甲状腺腫大・眼球突出・頻脈の『Merseburg(メルセブルグ)の三徴』が有名ですが、高齢者では症状に乏しく疲労感や体重減少、不整脈に心不全で発見されることが多いです。また、小児においては学力低下や夜尿、落ち着きのなさが特徴的で注意欠如多動症(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder: ADHD)と診断されてしまうことも珍しくはありません。小児のバセドウ病について詳しく知りたい方は『伊藤病院 甲状腺症例を極める(新興医学出版社/2024年初版)』で私が執筆を担当した第1章-10に知見をまとめていますのでぜひご一読ください。
こんな症状はありませんか?
・動悸や脈の異常
・体重の急な変化
・異常な寒がり/暑がり
・むくみ・だるさ・気分の落ち込み
・月経不順や不妊
・首のしこりや違和感
気になる方は、血液検査や超音波検査を受けてみることをおすすめします。
ひるま甲状腺クリニック蒲田でできること
当院では、甲状腺専門医による問診と診察、超音波検査、ホルモン・抗体測定、必要に応じた細胞診を通じて、甲状腺疾患の早期発見と管理に取り組んでいます。詳しくはこちら。
市民公開講座(2025年5月25日)のご案内
- 日程:2025年5月25日(日)10:00~11:20
- 形式:オンラインLIVE配信
- 参加費:無料
- 対象:どなたでも参加可能
- 登録サイト公開:2025年5月16日(金)18:00(予定)
最新情報をわかりやすくお伝えします。甲状腺疾患をお持ちの方もそうでない方もこの機会にぜひご覧ください。
最後に
甲状腺は、小さくても全身の健康に関わる大切な臓器です。「なんとなく体調が悪い」と感じたときこそ、検査のタイミングかもしれません。ご自身やご家族の健康を見直すきっかけとして、5月25日の講座をぜひご活用ください。
ひるま甲状腺クリニック蒲田
院長:蛭間重典(日本甲状腺学会専門医/次世代研究者の会NexT-JTAメンバー)
JR蒲田駅 徒歩2分|甲状腺専門クリニック|予約優先制